板金がめくれる原因

板金がめくれる原因は強風だけとは限らない

 福井はいまのところ台風の直撃をまぬがれていますが2~3年前にはたて続けに大きな台風が福井県の東側を通過したことがことがありました。

 その時に多かったのは、屋根や壁の板金が捲れてしまうという事案でした。
 確かに強風が吹くことで板金を捲る直接的なきっかけとはなりますが、長い時間をかけて間接的な原因を作っている場合があります。
 その場合、強風でなくても積雪とか、壁の板金ですと壁の中の土壁が落ちる衝撃でも捲れることがあります。

その間接的な原因とは何なのか?を思いつく範囲でお伝えしたいと思います。

木下地の劣化

 ↓画像の通り板金自体が錆びているわけでもないのですが、下地の木材が黒く際づいて、ともすると腐ってボロボロになってしまっていることがあります。

 これは主に横から雨が吹き込むことが原因と思われるのですが、他にも板金の裏側にできる結露や、ネジ止めした箇所からの漏水等の可能性もあります。

留めた釘が浮きあがる現象

次に長い時間をかけてジワジワと板金を留めた釘が浮いてくることが捲れる原因の一つになると考えています。

これは下地が乾燥したり、建物の振動が原因だったりします。

対策と修理

 何事もそうですが、原因を捉えず表面だけを貼り替えたり、そのまま新しい物を被せる「カバー工法」で貼ったりしても、捲れる対策をしたことにはなりません。やはり根本的な原因を直してから、さらに同じように下地の劣化が起こらないような修繕をする必要があると思います。

 見た目は同じに見えるのですが、下地を取り替えたものとそうでないものとでは、当然その後の耐用年数に差が出るのは自明ですね。

 こういったことは大半が解体してから分かり、工事金額や工程に追加の影響を来たすものではありますが、それをお客様に相談や説明をしてどう判断されるか?は別として、ちゃんと現状をお伝えし対策方法を示す事は大切な事だと思っております。