木製外貼断熱

耐久力を維持するための断熱工法

木造住宅の場合、躯体が急激に劣化しないための条件はたった2つだと思っております。

それは『水に濡れないこと』と『焼けないこと』です。

『焼けないこと』これは試験場で幾度となく試験が繰り返され、そのデータを元に建築法規で最低ラインを設定してくれていますので、それ以上の材料と環境を設定できれば、あとは普段の生活で火の扱いにご注意いただくことで解決できます。

しかし、『水に濡れないこと』に関しては、対策をしても別の問題が起こりその対策をするとまた別の問題が起きる、いたちごっこでした。近年になってようやく先が見えてきたように思います。
この『水に濡れないこと』は、なにも雨に濡れないことだけではありません。
・地中から湧き上がる湿気
・壁・窓の結露
・ベランダ防水
・給排水からの漏水
これらも含みます。木材に湿気があるとカビて木材の繊維が崩壊し腐食やシロアリ被害につながり、挙句は家の傾き・床のフワ付きにつながります。

外張り断熱工法の良さ

どうして外貼り断熱が良いのか?
『外貼り断熱工法』は、従来の在来木構造の外側(屋根・壁)に隙間なく断熱材を打ち付けていきます。イメージとしては家が断熱材に包み込まれたような状態になります。

従来の断熱は、柱と柱の間に断熱材を詰める『充填工法』でした。
この場合柱や梁・桁の部分で断熱材が切れてしまいます。
すると、断熱材よりも熱伝導率が高い柱や梁桁の木構造部分は冷えてしまい、断熱性能にムラができてしまいます。
断熱にとってこのムラができるということは、温度差が生じる事を意味しますので結露の原因になりかねません。

それに対して『外貼り断熱工法』は断熱材が連続して外部を囲うため、安定した断熱性能を発揮します。

マルセイ住宅産業が扱う外貼り用断熱材

マルセイ住宅が扱う外貼り用の断熱材は、木材を粉砕、繊維状にした自然素材でできております。高温でプレスし板状(大きなフローリングのような形状)にするため、衝撃にも強く現場施工がしやすいようになっています。

最初はこれだけの固さにするには、有害な接着剤が使われているのでは?という疑問がありましたが、木には人間と同じように『自己治癒力』をもっており、高温でプレスする際に自己治癒の成分(松ヤニ)が出て、バラバラになった木の繊維をくっつけようとする力を利用することで固まるのだそうです。
ですから、接着剤は使っておりません。

まるっきり自然素材でできているのがこの『木製断熱材』なのです。

外貼り木製断熱材について

なぜ、外部に貼る断熱材にまで自然素材の断熱材を用いるのか?

>第1は呼吸をすること

家を長持ちさせる構造のところで少し触れていますが、住宅の強度を保つのは木構造部分が要です。しかし木は本来、水や湿気には弱いものです。特に長期間水分に晒されると腐食し強度は落ちてしまいます。
自然素材は調湿性能や呼吸機能があるため、屋内から発生する湿気を上手に調整してくれます。
他の外貼り断熱材で呼吸をするなどといった高機能な断熱材は見たこともありません。(充填工法では聞いたことあります。)

>第2は内部環境に影響を及ぼすこと

逆に呼吸をするということは、断熱材の成分もわずかながら排出します。その際、有害な接着剤を使っているものであれば呼吸と一緒に屋内に流れ込んできてしまいますのでまるっきり自然素材で出来ている『木製断熱材』は屋内においても安心です。
もし火事になった時も自然素材だと有毒ガスが出る心配はありません。

>第3は外部環境に影響を及ぼさないこと

普段の住生活には直接関係ないかもしれませんが、廃棄処分する時のことまで考えます。有害な化学物質や成分を含有しないので特別な処分を必要としません。近ごろの産廃基準は厳しくなっていますから、燃えるゴミというわけにはいかないかもしれませんが、そのまま放っておいてもむしろ土壌の栄養になるくらいの素材です。

外貼り木製断熱材の良い所をもっと

>火に強い。

>水に強い。

>部分的な補修ができる。

>騒音に強い。

 

断熱工事はランニングコストを抑えるための要だと思っております。
長く快適な住環境を作るために良い工法・良い断熱材を選択したいものです。