豪雨と台風と豪雪に備える

建物にとっての天敵は水

住宅でもビルでも倉庫でも、あらゆる建物を確実に蝕むものは水とか水気だと思っています。
水気が侵入し、結露し、カビを派生させ、鉄は錆び、コンクリートは爆裂を起こし、木材はシロアリが住み着き、いよいよ建物の構造が蝕まれていくことだと思っています。

もし雨漏りや結露・配管の破損などが目で見て確認できたなら、早目に屋根や壁・ベランダの防水などの手当てをしておくことで建物は随分と長持ちすることでしょう。

小屋の屋根改修

線路沿いに建つ軽量鉄骨系の小屋の屋根の貼替えをさせていただきました

車一台分くらいの車庫の屋根
上がってみるとDIYによる塩ビ系波板が貼ってあった

塩ビ系の波板は最初しばらくは柔軟性があるのですが数年で硬化し、留めてある釘の周りからバリバリ割れて、釘から解放された塩ビ波板は真夏の熱射に焼かれてグニャグニャと自由に曲がるのだと想像します。

因みに同じ樹脂波板でもポリカー波板は耐候性があるので塩ビ波板よりプラス10年ほど長もちするのだと思います。あと透明度も高いので、よく物干し場の屋根なんかには使われますね

波トタンに貼替え

そういったことからすっかり樹脂系の波板に信用をなくされたので、今回施主さんが選択されたのは「波トタン」となりました。

古い波板を捲り、防水紙、木下地
波トタンを傘釘で細かく打っていきます

古い塩ビの波板をめくると、野地板の合板が出てきました。やはりある程度風化し接着のボンドも劣化したのか?あまり上を歩くことも注意すべき状態でしたので、フエルトで防水層を作り、厚めの木桟で下地の補強をしました。

あとは順次波トタンを貼っていきます。

端口の軒となっていた部分は野地合板の劣化が著しかったので、軒の出をギリギリまでカットしました。そうすることで端口が雪等(人が登った時は特に危険)の重みで折れる心配は無くなりました。

季節がら、強い風が吹くたびに「屋根大丈夫だろうか?と心配しなくて良くなった!」と喜んでいただけました。
線路沿いの小屋ですから特に心配だったとお察しいたします。

ありがとうございました

突然の給湯器トラブル

「今朝まで動いてたのに」

2年ほど前にボイラーを入れていただいたお客さんから
「マルセイさん、浴室のリモコンは点いているし、ボイラーも使えるのに台所のリモコンが点かない。」といったトラブルの連絡がありました。

駆けつけてみると、普通にお湯も使える。
浴室リモコンも表示有り、反応有りで使えてそうです。


それで自分なりに点かない台所リモコンの線がつながっているか?
ボイラー本体側でもつながっているか?
電源を落として再度リセットしたり。
といろいろ試してみたけど、相変わらず台所リモコンだけ反応が無い状態でした。


お施主さんもそういった方面に器用な方で、
「それ、昨日一通りやってみたんだわ。でもアカンかった。」
ということで、私は同じことをもう一回一通りやっていたみたいです。

メーカーの気の効いた対応が有難い

いよいよお手上げ状態だったので、メーカーの営業担当者に電話


マルセイ「かくかくしかじか・・・で、台所リモコンだけ点かない、なので当然エラー表示を見ることもできない。」ことを説明すると。

営業「まず、本体は動いているし風呂リモコンで操作ができる。
それにエラー表示は風呂リモコンにも出ますから、エラーじゃないということですよ。

どうしてかな~。
もうね、台所リモコンだけ何らかの原因で断線しているか?

リモコン内でどうかなったか?どっちかですね」

という答えでした。
そこで営業からの提案がありました。


営業「修理依頼をするかどうかを判断する前に、とても簡単な事ですから私が案内する通りにやってみてください。」
営業「新しいリモコン線を用意して、ボイラー本体と台所リモコンを直接つないでみてください」

ということで、言われる通りにやってみると、問題無く台所リモコンが点きました。

壁内で通信線が切れている?

結果として、何らかの原因で壁の中でリモコン線が切れている。ということが分かりました。

それで新しいリモコンコードを別ルートで台所のリモコンの所へ配線し、つなげて無事にリモコンが使えるようになりました。

今回はメーカー営業さんに大変助けていただきました。
そのメーカーは長府製作所「CHOFU」さんです。
大変お世話になりました。

暴風・豪雪に備える

屋根を確認してみてください

毎年9月~10月にかけて台風や雷・突風の多い季節となります。
今年は毎週のように台風が発生していますが、発生する場所が日本に近い所で発生するので対策をする時間が間に合わない傾向が見られます。

特に大型の台風となると暴風の影響力がかなり広域となるので、中心が遠くにあるからと油断はしない方が良いと思います。

直前になってもしくはその時になって屋根の手当てをするのは大変危険です。
下から、または遠くから、または業者さんに依頼して確認されることをお勧めします。

北陸は暴風・豪雪・凍結のトリプル被害

暴風は屋根材を吹き上げ

豪雪は瓦や棟板金をずらし

凍結は劣化した屋根葺き材に浸透し、深夜凍結し爆裂(弾き飛ぶ)を起こします

北陸の住まいの屋根はとても過酷な環境で家を守っていますので、たまには屋根を気にしてあげるのはいかがでしょうか?

瓦のズレ
瓦の割れ
棟の崩落

以外と雨樋も危険な状態?

雨樋は屋根の軒先にくっついているように見えていますが、もしかすると受け金の上に乗っているだけかもしれません。

雨樋は受け金の上に乗せたり、引掛けたりして軒先にくっついていますが、最もシンプルな雨樋で金具と雨樋を針金(銅線)でからげてあるタイプですと、その針金が既に劣化で切れて、突風で雨樋がすぐに外れてしまうような状態になっている可能性もあります。
ご注意ください。

雨樋は付いてるのに針金が全て切れている
突風によりコーナー樋が破断し片方は吹き飛んだ

自分で屋根に登るのは危険。そして放っておくのも危険

「確認してみてください。」と書いていますが、ご自分で屋根に登ることは避けてください。出来る範囲で確認をしていただいて
例えば2階の窓から1階の屋根を見るとか、下からとか遠くからとかでも良いと思います。

屋根葺き材や雨樋は被害があると雨漏りするなど、住まう家の人にとっても厄介なことでもありますが、落下したり舞って飛んで行ったりして人や車、窓ガラスに当たるととても危険ですので、事が起きる前に是非チェックをしてみてください。

福井県大雨災害 2022年8月

お見舞い

かなり遅くなってしまいましたが、8月4日からの豪雨被害に遭われた方におかれましては心よりお見舞い申し上げます。

これは8月5日朝出勤前の日野川。橋は日野大橋でその奥が南条方面のアングルです。

当時、豪雨の中現場(不老町)でラジオのニュースから県内各地での被害が報告されていましたが、ここまで被害があるとは存じ上げず、とある建設会社様から出動要請があり、その下見に向かってはじめて実情を知り、ビックリしました。

人の背丈は軽く超えるくらいの水位の線が民家の外壁にクッキリと残っていました。
つまり1階はもう生活ができない状態。
とても恐ろしい思いをされただろう事が推し量れます。

ボランティアの方々により1階の床は捲られ、ヘドロが取り除かれ、石灰?(消毒)がされた状態

私が伺ったお宅は。。。というか、周りのお宅もほとんどが床上浸水で、一階は画像のような状態でした。2階から階段を降りてくると、一階の床が無くとても危険な状態。。。

にもかかわらず、私の様な訪問者が。。。その節はほんとすいませんでした。

あまり画像は載せれませんが、このあと一階の主要な部屋への行き来ができるように仮床まで貼らせていただきました。

大引きはそのまま利用
根太・断熱・下地合板


大切な物が無くなったり使えなくなったりして、とても大変ですが、お体を大事にできるだけ周りに応援を要請して心も体も健康で、出来るだけ早く復興をしていただきたいと願っております。